その日は調子が良くて、自分なりによく動けてるなって感じだったんです。
CRのアシストも完璧だし、バキュームも積極的だし、「今日何日だっけ…」ってつぶやいた患者に「30日ですッ」ってすかさず答えたし。
あんまり好調だから、指導係のAさん(歯科衛生士)もわたしの成長ぶりに驚いているだろうな~とおもって気分も明るくなりました。
指導係のAさんは日ごろからわたしの初心者ぶりにイラついている様子があるんですよ。
確かに、わたしがAさんの立場で1年間初心者の面倒を見続けなければいけないとしたら、正直言って結構嫌だなっておもいます。
面倒だし、疲れるし、良いことないでしょ。
なので、イラつかれていてもしょうがないし別に良いんだけど、お互いにとって何も良いことがない状態だなとはおもっていて。
今のところ努めてその雰囲気に気が付かないふりをして萎縮しないようにしていますが、いつか無理になってびくびくしながら働くようになってしまうかもしれないし。
とにかく、わたしがちゃんとできるようになれば全部丸く収まることですから、早く成長したいとおもっています。
ハイハイ、立派ですね~。
という訳で、この後ヒドい失敗をやらかして、クソ怒られます。
それがもう運悪く、そのAさんのアシストについている時だったんです。
Aさんが「シール」と呼ばれる作業をやっていました。
筆に液をつけて、その筆を今度は粉につけると、液と粉が混ざって、筆の先でスライムみたいな材料が出来上がります。
それを患歯にペタペタくつけて、かぶせ物が出来上がるまでの仮のフタにするのです。
混ぜる作業は専用の小さなパレットに粉と液を出してやるんですが、作業中に液が足りなくなったんですよ。
OK~☆アシスト任せろ~☆
ということで液の補充をすることになりました。
液体はこういう容器に入っていたんですが
フタに気づかず
こっちを開けて
ドーン!!!
もう、ドチャクソ怒られましたね。
わたしがさっきどうやって開けていたか見ていなかったんですかッ
ボンヤリ見ているだけだから、こうなるんですよッ
大体こんな小さいパレットに、そんな大きな口のビンから液体を移すなんて、おかしいでしょうが~~ッッ!!!
ハイ…すいません…すいません…うぇ…
わたしにとって、歯科医院にあるほぼすべてのものが、初めて見るものです。
なので、見たもの全部「ああ、これはこういう物なんだな~」とおもってしまう状態で、今回の件も「注ぎ口でかいけどこういうやつなんだろうな~」と考えてしまいました。
言われてみると確かにおかしいですよね。ウウ。
これについてはもう、3日間くらい大反省しました。
液体の残量がわずかだったので、そこが救いです…。
そして、歯科材料ってすごく高価なので、院長にも損害を出したことをお詫びしました。
報告したときの 院長の第一声が、「失敗は誰にでもあります」だったことで、なんだかすごく救われたような、さらに申し訳なさが込み上げてくるような気分になりました。
でもやっぱり、怒られた後だったのでそうやって許してもらえることは嬉しかったです。
その後、Aさんにクソだめ人間のレッテルを貼られ、明らかにAさんが間違っているんだけどな~っていうことをわたしのせいにされるやつもありましたが、致し方ないということで乗り切りました。
(家に帰ってからめちゃくちゃむかついたけど…!)