ゴールデンウィークに、貝の博物館へ行った。
貝の博物館には、貝が沢山ある。
大人が中に入れるくらい大きな貝がある。
虫眼鏡でないと見えないくらい小さな貝がある。
ショーケース越しに見る貝もあれば、触っていい貝もある。
とにかく貝がある。
触っていい貝に触ると、固い。どれも固い。
感触に差はあれど、貝は固いのだ。
貝は、成長するとあまり動けなくなってしまうため、幼生のうちに一生懸命移動するそうだ。
そうやって地道に分布を広げるらしい。博物館の掲示物にそう書いてあった。
貝は健気だ。
動けなくなってしまうことを、生まれた瞬間から分かっているのだろうか。
一度に多量の貝を見たことがある人なら分かると思うが、貝はかなり良い。
貝の持つ静けさが良い。
博物館にあるのは貝殻だが、もしも生きている貝が何百匹もいたとしても、シーンとしているのだろう。
想像するとたまらない気分になる。
帰りにどうしても貝がほしくなり、土産物屋で貝のキーホルダーを買った。
ヒオウギガイという貝だ。
片方欠けてしまったようだが、そうではない。
みんな元々この形なのだ。
貝は不思議だ。
貝が沢山入った「貝バッグ」も欲しかったが、やめておいた。
家に帰って、貝の漫画をかいた。