週刊ゆふあや 新メンバー

水曜日

病院へ。いつもより30分早い時間しか予約が取れなかったので、眠い目を擦りながら嫌々向かう。すると、いつもより空いていて、診察がとてもスムーズだった。早起きは三文の徳ってやつを実体験したのは生まれてはじめてかもしれない。

そして、今日の検診でついに、出産日が決まった。明後日だ。急だし怖すぎ。ビビりまくって食欲も無くなった。

という訳で、私は明後日赤ちゃんを産みます。

 

木曜日

明日の入院のことで頭がいっぱいで、食欲もなく、前駆陣痛も腰痛も辛くて、ふさぎ込んでしまった。できる気がしない。気分転換に散歩でもできれば良かったが、動いたら明日を待たずに産まれてきちゃうかもって思うと不安で、ひたすらベッドで腹痛に耐えていたのもブルーな気分に拍車をかけた。

 

金曜日

入院。計画無痛分娩のため、誘発剤を飲んで陣痛が起こるのを待っていたのだが、その過程で赤ちゃんの元気がなくなってしまい、緊急帝王切開で出産した。

「このままだと危険だから、今すぐ出しましょう」

突然そう言われて、赤ちゃんが心配なのと、心の準備もできないまま今すぐ帝王切開が始まる恐怖でポロポロ泣いてしまった。数秒前までお昼ごはんのこと考えてたのにね。夫も一度帰宅していたので、泣きながら一人で同意書にサインして、あっという間にオペ室で麻酔をされ、下半身の感覚が無くなり、怖くて泣き続けていたら、私の横を助産師に抱かれた赤ちゃんが通り過ぎた。後で聞いたが、赤ちゃんはやはり元気が無かったらしく、蘇生措置を受けたそうだ。間もなく聞こえてきた赤ちゃんの泣き声は、素敵なソプラノだった。今度は安心して泣いた。素早く手術に移行し、赤ちゃんを助けてくれた病院の方々には、本当に本当に感謝している。いくらお礼を言っても言い足りないというのに、逆に「急に手術になったからびっくりしたと思うけど、あなたが手術を受けるってすぐに決断したから、この子は今元気に生きているんですよ。本当に頑張りましたね」なんて言ってくれるから、またポロポロ泣いてしまった。

という訳で、我が家の新メンバーに、小さな女の子が加わりました。ピース!

 

土曜日

後陣痛と傷の痛みがこんなに辛いものだとは。両足に装着された血栓予防のための器具のせいで体が全く動かせず、背中と腰も痛い。痛み止めが切れる度に悶え、何度も何度も時計を見ながら、長い夜を明かした。

朝になり、丸一日ぶりの食事。その後看護師のサポートを受け、立ち上がり、歩く練習をする。いつも通りに動かそうとしても、ちっとも動けない。無理に動かすとめちゃめちゃ痛い。もう諦めて寝ていたい。それでも必死で杖代わりの点滴ポールを掴んで立ったのは、行き先が新生児室だと言われたからだ。私が産んだらしい激カワ赤ちゃんは、ベッドですやすや眠っていた。昨日は母子共に慌ただしく処置をうけていたので、顔をちゃんと見るのはこれが初めて。まじで激カワで驚いた。

そして、初めての抱っこ。頭がハンドボールくらいしかない生き物が、腕の中でモニョモニョ動いている。下手くそな抱っこだったと思うけど、泣かずにいてくれた。心優しい赤ちゃんだね。もう保育器を出て、ミルクもよく飲み、元気だということだ。良かった〜〜〜〜。

夜、抱っこしたことを夫に電話で話す。夫も30秒くらいしか赤ちゃんを見ていないので、羨ましがっていた。早く抱っこさせてあげたいな。

 

日曜日

まだお腹は痛いが、昨日よりはずっと楽になっている。朝も点滴ポールをお供に歩いてラウンジまで行き、温かいお茶をゲットできた。

そして、初めての授乳。まだ何も出ないのに一生懸命吸ってくれた。吸いながら「出ないのだが〜っ」って怒り泣きしてる姿がかわいそうカワイイ。

夫がドーナツを差し入れてくれたので、大切に食べた。コロナのせいで面会禁止だから、すぐそばに来ているのに会えなくてもどかしい。夜、ビデオ通話で今日の赤ちゃんの様子などを話した。

 

月曜日

昨日点滴ポールを没収され、強制的にポールなしで歩けるようになった。

午後のロードショーで大好きな映画「コンスタンティン」をやっていたので、授乳の合間に見る。入院中に好きな映画を見られるとは、なんか得した気分。

これまでは新生児室で管理されていたのだが、母子同室が許されたので、リアルタイムで動く赤ちゃんの姿を夫にビデオ通話で見せることができた。楽しかったけど、通話を切った後でなんか急に寂しくなって、家に帰りたくて堪らなくなってしまう。なかなか眠れなかった。

 

火曜日

寝ている所を無理に起こしてしまったことをきっかけに、その後ずっと赤ちゃんがグズグズしていた。あやしたり授乳したりと奮闘するが、抱っこも授乳もまだ慣れないので、良くない体の使い方をしてしまい、首と手首がすごく痛い。このままだとあっという間に腱鞘炎になっちゃうな。気をつけないと。

母乳を出すために助産師に搾乳をしてもらったのだが、それが壁を殴りそうになるくらい痛くて、でもやらなくちゃいけなくて、歯を食いしばって耐えた。寝不足だったことも重なって、今日はかなり疲れたな。深夜帯は新生児室に預けられるので有り難い。やっと寝られる……。