10月の記録

のんちゃんは挨拶をするのか?

のんちゃんが運動会の終わりの言葉っぽいのを言う様になった。「おわりのことば!〇〇ほいくえん、〇〇ぐみ、〇〇!」と自分のフルネームまで言うものだから、夫と二人浮足立ってしまう。

え!?のんちゃん、やるのか!?!?早生まれののんちゃんが!?!?クラスの代表なのか!?!?休日にスーパーや公園で保育園のお友達に会うと、目をそらしてガン無視するのんちゃんが!?マンションのオーナーに声をかけられると、心底嫌そうな顔で話が終わるまで黙ってやり過ごそうとするのんちゃんが!?とソワソワしながら運動会の日を待っていたが、終わりの言葉は全然別の子がやってた。

何だったんだ!?!?

 

運動会の日

のんちゃんは運動会でソーラン節をやった。緊張した顔でずっと立っていた。音楽が終わるまで一人で立ててすごいなあと思った。

運動会の後は公園でお弁当を食べて、シャボン玉をやった。家でお昼寝をして、午後はみんなでクレープを食べに行った。夫と半分こするはずのクレープを、のんちゃんは一人でほとんど食べた。

眠る前のベッドの中で、「今日は何が一番楽しかった?」と聞くと、「うーん、おべんとう!」との事。早起きが辛かったけど、頑張ってお弁当を作って良かった。

 

演劇は贅沢だ

ものすごく久しぶりに演劇を見た。

マーティン・マクドナー脚本の「ピローマン」という演目。元々は劇作家で、映画の監督・脚本もしている人。

彼の映画を見て感じたマーティン像と、「ピローマン」で感じたマーティン像は、同じようで少し違った。

主人公の無名作家カトゥリアンが書いたという「ピローマン」の物語は、自殺を選んだ人間の過去へ行き、子供の頃のその人に「君は将来こんな酷い目にあって、こんなに辛い自殺をする。そうなる前に今、楽な自殺をしておいた方が良い」と言う枕の化け物の話である。こんなに恐ろしい話があるだろうか。

カトゥリアンは自分がやっていない事まで自白して処刑を受け入れる事で、自分の物語をこの世に残すよう取引を持ちかける。カトゥリアンにとって、自分が書いた陰惨な物語たちは、自分の命より重い。カトゥリアン自身よりも、カトゥリアンの物語の方がカトゥリアンなんだと思う。その必死さはゾッとするほどで、「作家の業」なんて簡単な言葉で言い表せるものではないように思えた。世の中への憎しみ、人間への恨み、自分への怒り、あらゆる憎悪がないまぜになった、真っ黒な塊みたいなものが真ん中に見える気がする。映画では、シニカルと暴力と笑いを冷静にやっているイメージだったから、こういう感情的な面が出ている事が意外で、面白かった。

それにしても、人間が目の前で本気の演技をしているっていうのは、なんて贅沢な事だろうか!

 

魔法学区

長谷川白紙のツアー「魔法学区」に行った。

ライブハウスで聞くのが良いって感じの音楽では無いと思うけど、好きな音がデカいというのはマジ単純に嬉しい。デカくあれ、好きな音よ。

ずっと顔が見えないライティングになっていて、舞台の上が真っ白になったり真っ黒になったり、眼鏡と髪の毛の影が出たり消えたりして、魔法っぽかった。

曲は全部知ってるのに、全部知らん曲になってて面白かったな。もう何も覚えてない。覚えられるはずがない。元々どんなだっけ!?!?と思って、終わった後めちゃめちゃ原曲を聞きたくなった。

グッズ売り場にあった紺色のジェットストリーム(0.7)(¥600)(ちっせ〜エンブレム入)が超クールに思えて、買った。ジェットストリーム買う時、私は絶対紺色選ばないし、太さは0.5にするから、なんか全てが他人好みのペンって感じでゾワゾワする。

 

 

外食でがっかりする時

家と同じ食器が出てきた時。

 

レバニラ

レバーを箸で持ったら裏側に細かいニラがいっぱいついてて、石の裏の虫みたいで怖かった。

 

クリスマスツリーを購入

のんちゃんも結構分別がつくようになってきたし、口に物を入れる事も無くなったので、ずっと欲しかったクリスマスツリーを買った。

クリスマスツリーといえば、小学校の頃の友達の家に、2メートルはあろう巨大ツリーがあったのを思い出す。同じマンションとは思えない程家の中がオシャレで、いつも外国の風が吹いていた。初めて紅茶を飲んだのもこの家だった。

今思い返すと、おもちゃもランドセルも家具も服も本も、海外製の見たことがないようなものばかりだったし、部屋をぶち抜いてグランドピアノを置いてあるのもヤバかったし(どうやって10階の部屋に入れたんだ!?!?)、何気なく置いてあった英語教材は、ディズニー英語システム(総額約100万円)だった。

よく私なんかと遊んでくれてたな〜……。

 

見た映画

①ベイビーわるきゅーれ ナイスデイズ

ベイビーわるきゅーれシリーズはどんどん洗練されてきててすごいなー。

今回は敵がすごく良くて、ほんの少し殺し屋イチみたい。池松壮亮は演技が上手いという事が分かった。

何より驚いたのは、ちさととまひろの、これまで避けられていた「行間」の部分を、直接的ではないけれど描いていた事。

殺し屋という仕事は、殺せなければ殺される。そんな単純な事も忘れるくらい、いつも二人の暮らしは楽しそうだった。しかし今作は、出張で仕事をする話なので、あの見慣れた部屋が出てこない。冗談を言い合いながらも、二人はずっと懸命に仕事をしている。そんな姿ばかりを見せられていると、二人は立場も弱く、いつ命を失ってもおかしくない存在なのだということを、嫌でも思い出す。

仕事への向き合い方というのは色々で、冬村タイプ、入鹿タイプ、七瀬タイプが出てくるが、彼らに比べると一見ダラダラしているように見えるちさまひも、考えてみたらサボってる場面は無い。いつだって真剣に人を殺しているのである。そうじゃないと殺されるんだから。もちろん、強さにあぐらをかいている訳でもない。相手は強い。勝てないかもしれない。でも死にたくない。まだ遊びたい。悔しい。勝ちたい。まひろがサンドバッグを打つシーンは、普段見せる事の無い強い感情が現れているように見えた。

格下を迎え撃つコメディが一生続くとばかり思っていたけど、この感じだといつか、二人の過去までわかる日が来るのかもしれない。

映画がこういう作りだから、ドラマ版はいつも通りすぎるくらいいつも通りにしてくれたのかな。だとしたら嬉しい配慮。

あと、エンドロール見てて思ったけど、飛永翼って本名?すごいカッコいい名前だ。

 

②civil war

怖い!!!!!!!こうならない事を祈る!!!!!!

過去の戦争の悲劇ではなく、架空の戦争でもなく、「近い未来に現実で有り得る戦争」を描いた映画。こういうのは初めて見たが、これが作られるということは、現実に戦争の足音が聞こえてきてもおかしくない場所に自分達が居るという事で、その事が本当に怖い。大統領選の後、何も起こらないといいな……。

ジェシー・プレモンス演じる差別主義者の男が出てくるシーンが凄すぎて、久々にドキドキする程怖かった。

 

③cloud

最初はもっとチマチマした話かと思ったが、最終的には結構大きな所に行き着いたので感動した。現代の神話だ……。

主人公は菅田将暉演じる転売屋の男。転売屋に対し、法律的に白か黒かという点はこちらからしたら全くどうでもよい事である。自分が儲けるためだけに、多くの人の気持ちを踏みにじっている。その事が悪であり、法律では裁けない罪があるのだから。

この男は、その事にも無自覚であるし、いつも浮ついていて、すぐ他人に対して上から目線になり、「自分に必要ないからどうでもいいや」という態度をあからさまにする。

水蒸気のように常に不快さを撒き散らし、気付けば男の頭上には、恨みの雲ができている。降り注ぐ雨から男を守ってくれる謎の青年。彼は男を助けてくれる天使ではなく、悪魔なのだろう。死よりも深い地獄。それは、敵も味方もいない世界で、死ぬまで金儲けだけをする地獄。死体の山の横で、ちっぽけな転売ゲームを続ける地獄。佐野が運転する車の外に見えたのは、地獄の風景に違いない。

面白かった。

 

甘い人生

感情が滅茶苦茶になってるイ・ビョンホン、い、良い〜……。

裏社会の要人であるカンと、彼からの信頼と寵愛を7年間受けている男キム(イ・ビョンホン)の、こじれた愛の物語。

カンの愛人に魅力を感じ、カンの命令に背いて彼女を救ったキム。それに気付いたカンは、キムに対して強烈な拷問をするのだが、なぜか殺さない。むしろ、キムを許したいので、15分やるから命乞いをしろとか言う。しかし、キムは素直になれず反発する。7年間、従順な犬として、カンのために働いた。側近のムンよりもカンに愛されていると思っていた。それで満足だったのに。誰よりも愛しいはずの僕に、どうしてこんなに酷いことをするのだろう。たかが女一人の事で!!

二人は結局、本音で話すことは無かった。悲しいが、極道というのは掟・面子・吟侍がいつも前に来るのだ。終盤、キムはずっと考えている。「なぜこんなことになってしまったんだろう……」。世の中には、こういう事が結構多いと思う。