新しい実習先

今月から実習先が変わりました。

 

これまでは「町の歯医者さん」という感じの所だったのですが、今回は自費診療の歯科医院です。

その中でも、PMTCで18000円を頂戴するようなセレブ向けの高級な所。

PMTC=歯科衛生士が機械を使って歯面をピカピカに磨くやつ)

 

行ってみたら床は全部大理石、チェアは海外製の特注品、もちろん全部個室。

 

前回の実習で様々な材料をぶちまけてきたわたしですが、この大理石にポピドンヨードをこぼしたらさすがに生きて帰れないな…ということは良くわかります。

 

何事もなく終えられますように…。

 

 

ここに来るセレブな患者さんはユースキンにおまけがいっぱいついていても喜んだりしないんだろうな。

 

f:id:oshirigenki:20160117134707j:plain

 

わたしはすごくうれしいです。

 

人生と選択

先日、出先でバスに乗ったら具合が悪くなりました。

 

子供の頃から車が苦手で、乗ると大体オエってなります。

オエってなるとなぜだか、本当になぜだか意味不明で今だに許せないんですが親に怒られたりとかして、その後のすべてのことが楽しくなくなってしまうということが頻発しました。

 

今は大人だから、オエってなったら「やっぱりオエってなるなあ」とおもいながら、お金を出して休憩します。

こういう瞬間に、大人になれて本当に良かったとおもうのです。

 

理不尽と不自由にまみれた子供時代はまるで修行のようだったなと感じます。

 

 

f:id:oshirigenki:20151217215859j:plain

色が気に入っていて捨てられないゴミのことも、誰にも怒られない

 

 

バスを降り、休憩しようと駅前のビルに入ったら、サンマルクカフェとイタリアントマトカフェジュニアが並んでいました。

 

わたしはこういう日常のくだらない選択に弱く、パっと決めることができません。

即答できるのは、行きつけの料亭で聞かれる「白米になさいますか?五穀米になさいますか?」ってやつだけです。

 

このときも一瞬アワワ…となったのですが、サンマルクカフェの方が店内が薄暗かったので、そっちにしました。

 

また、具合が悪くて本当は白湯が飲みたかったのですが、へんてこなオーダーをして「ハア…ちょっと店長に確認します…」と言われたら平気ではいられないため、紅茶のホットで我慢することにしました。

穏やかな日常には我慢も必要です。

 

しかし、会計をしてカップを受け取ってみると、白湯に自分でティーバッグを入れる方式のやつだったのです。

予期せず白湯にありつけました。

 

 

これは店の選択、そして商品の選択が大成功だったと言えます。

 

白湯を口に含むと、この成功を掴むまでの苦難の数々が走馬灯のように浮かんできました。

 

悪心。

不慣れな土地。

バス代380円(高い)。

スイカの残額がないことに気づき、焦る気持ち。

初めてのバス内での両替。

 

そして、サンマルクカフェか、イタリアントマトか、迫られる選択…。

 

 

人間の生活は選択の連続です。

 

自分の選択によって何か悪いことが起こると、落ち込みますよね。

それが重なってくると、自分で考えることを放棄したくなり、「なんでもいいから誰か決めてくれ!」と叫び出しそうになることもしばしばです。

 

逆に、良いことが起こると嬉しいし、今後の選択への自信もついてきます。

 

死ぬまで選択を続けていかなければならないこの生活においては、たとえどんなに些細な成功であっても、次の選択をするための糧となるのです。

 

 

 

そんなことを考えていたら、サンマルクの女店員が若いアルバイトをでかい声で叱りつけ始めたので、「あっ失敗した」とおもってすぐに退店しました。

オエってなってるやつは、電車で座ってたら治った。

 

 

 

クリスマスのかざり

わたしは正月が大嫌いなので、クリスマスを大切にすることにしました。

 

とはいえ、「大切にする」というのがどういうことなのか自分でもよくわからないので、とりあえず「その日を楽しみに待つ」のが良いのではないかということになりました。

 

楽しみに待つためのアイテムを買ってきて飾ったので見てください。

 

f:id:oshirigenki:20151205174257j:plain

くまのやつが気にいった

 

f:id:oshirigenki:20151205180453j:plain

ぶら下げるやつ

 

f:id:oshirigenki:20151205180645j:plain

西友のリースが500円なのにハイクオリティで良い感じ

 

 

眺めているとなんだかうれしい気分になります。

これでクリスマスを満喫したら、あとは座禅を組んで過ごします。

 

ハイエナズクラブで記事を書いた

これです。

【ミステリ聖地巡礼】猟奇殺人犯「ハサミ男」の大好物はミートパイ | ハイエナズクラブ

 

記事がミステリファンのところまで届かずにインターネットの海に沈んでいったら泣いちゃうところでした。

ちゃんと届いたし、書店の絵のことに気づいてくれた人もいたのでうれしいです。

 

我孫子武丸先生が言及してくれたのには、感動のあまり吐き気がしました。インターネットは本当にすごいな。

 

 作中でわたしが一番好きなのは、ハサミ男が自宅で由紀子殺害事件を報道するワイドショーを見ているシーンです。

本当に面白い部分なので、もったいないから記事では触れませんでした。

 

あと、巡礼に行ったときに入ったソバ屋が安くておいしかったです。

 

f:id:oshirigenki:20151203100306j:plain

まいたけの天ぷらおそば

 

 またなんか書けたら良いなとおもいます。

 

実習でひっぱたかれそうになる

実習先でのことです。

 

スーパーボンドっていう歯科材料がありまして、先日初めて臨床でそれを使う場面に遭遇しました。

 

不勉強で術式が分からず、院長に指示されるままに液を出したり粉を出したりしていたんですが、こういう場面で何より困るのは、「どれがどれくらい必要か?」っていうのが分からないことなんです。

 

 

例えば、日常生活で「この量の刺身に対して醤油がどれくらい必要かな?」と迷ったとします。

でもそんなのは、足りなければ足せばいいし、多すぎて余ったとしても特におもう所なく流しに捨ててしまいますよね。

 

でもそれは、醤油が1リットル200円で買えるからなんです。

 

 

 

歯科材料というのはもう触るのが嫌になるくらい高価で、先日の記事でわたしがぶちまけた液体なんて、30mlで8000円するんです。

マジで背筋が寒くなります。

 

なので、材料の出しすぎは院長からすごく注意されます。

(雇われて来てる歯科医師は人んちの材料だから全然文句言わないけど)

 

かといって、控えめに出しすぎて足りなかったとしても、注意されます。

(歯科治療は時間との戦いみたいな所あるので)

 

 

つまり「完全に必要な量ぴったりに液体や粉を出す」スキルが求められるということですが、そんなの醤油でもできないヨ~っていつもおもいます。

 

ユーキャンに「必要な量ぴったり講座」があればいいのに。

 

f:id:oshirigenki:20151130151408j:plain

受講待ったなし

 

 

さて、話は戻ってスーパーボンドですが、指示された液体を皿に出したところ、「こんなに出さなくていいっ」と注意されました。

多かったんですね。

 

これはヤバいな~とおもいながらアシストを続け、治療終了。

すると、院長が淡々と喋り出しました。

 

 

「おしりさん」

「はい」

「スーパーボンドはすごく高いです」

「はい」

「特に液は高い」

「はい」

「これから注意してくださいね」

「はい。すみませんでした…」

 

 

やっぱり怒ってるな…。

次から気を付けよう…。

 

 

「おしりさん」

「は、はいっ」

 

 

「今のやつ、怖い先生の所だったら、ひっぱたかれますからね…。」

 

「はい……………。(ヒ~~~~~~~)」

 

 

ワーッ!今十分怖いんですが!!

 

もうこれ、裏を返せば

 

「私も本当ならお前をひっぱたきたい所だ」

 

っていうことじゃないですか。

実行を止めた院長の理性に感謝!!!

 

でも、半分ひっぱたかれたようなものですね。

 

もう本当に怖いので、歯科材料を作る会社がもっと増えて価格競争が起こってほしいなとおもいます。

歯医者に来る子供

歯医者には子供が来ます。

今の実習先には、そりゃもうワンサカ来るんですよ。

日によっては、ここは駄菓子屋か?っていうくらい来るんです。

 

 

大人のアシストに着くときは「タオルかけますね~」「奥吸いますね~」「お口ゆすいでくださいね~」の3つをロボットみたいに繰り返して体力を温存してるんですが、子供のアシストになるとそうはいきません。

 

「あっくん、おひざ立っちでおくちブクブクできるかなあ~?」

「おやおや~?ちゃんとできてるかな~ってジバニャンも見てるよ~」

 

というような、発するのに大量の生命パワーを使うセリフを吐きまくる必要があり、体力ゲージがあっという間に終わります。

 

 

f:id:oshirigenki:20151122120608j:plain

生命パワーを使い切ると言葉が上手く出てこなくなる

 

 

治療中以外にも、ドクターが処置を開始するまでのちょっとした待ち時間など、余裕があれば、おしゃべりしたり、器具を見せて慣れさせてあげたり、とにかく子供が楽しく過ごせることを目標にして色々やってみています。

 

 

これまでの感じだと、男の子は電車好きな子なら電車の靴下を履いてたり、レンジャー好きな子はレンジャーの服を着てたりすることが多いので、すごくおしゃべりしやすいです。

 

特に電車好きボーイは蓄えた電車知識を披露する場を欲しているので、「その電車なんていうの~?おねえさん知らないんだ~教えて~」と言えばバッチリだということが分かってきました。

 

逆に女の子は難しくて、キャラクターものをあんまり持っていないんですよ。

 

今のところは「洋服すごくオシャレだねー!」と褒めてみたりしているのですが、いまいち反応が良くない子も多くて悩ましいです。

 

 

f:id:oshirigenki:20151122120804j:plain

 女の子はみんなオシャレで、特に黒×ピンクの子が多い

 

 

そして先日、小学2年生の女の子が来ました。

緊張している様子だったので、リラックスさせようとおもい、話しかけました。

 

 

「今日は学校帰りなの~?」

「うん…」

「今何年生だっけ~?」

「2年…」

「そうなんだ~!九九とかやってるのかな~?」

「…?」

「まだやってない?」

「…?」

「やったかどうか忘れちゃったか~!」

「うん…」

 

全然盛り上がりません。つらい。

 

「あっ!お洋服かわいいね~!リボンがいっぱいついてるね~」

「ん…」

「髪型すてきだね~いつもお母さんがやってくれるの?」

「うん…」

「そうなんだ~…」

 

 

 洋服を褒めるやつも上手く行かず、30秒で話題がなくなりました。

どうしたらいいんだ。

ウーッ

ウーッ

 

 

 

 

「えーと…学校は楽しい?」

 

 

 

 

必死にひねり出した質問がこれです。

どういうことでしょうね。

わたしはウザいお父さんか…。

 

「どうだ、学校は楽しいか?」ってドラマでよく見る、子供との接し方が分からないお父さんが食卓で言うやつじゃん。(その後家庭崩壊する)

 

自分のコミュニケーション能力の低さは十分承知していましたが、まさかドラマのダメ親父並とは。

さすがにショックでした。

 

女児はどんな話題が嬉しいんでしょうね。

 

わたしが女児だったときのことを思い返すと、「クチバシティから波乗りすると南アメリカに着いて、そこにミュウがいる」って話を聞いたときにすごく嬉しかった記憶があります。

なお、そんなものは存在せず、ミュウは結局クラスの頭が良い男子に教えてもらったバグで出しました。

 

普通のソバ屋

チェーン店もいいけれど、せっかくなら個人経営の店を開拓していきたいとおもうのが人間だとおもいます。

 

わたしも家の近所の個人経営の店にいくつか入ってみましたが、今のところ、自信を持って人を連れていけるような良い店は見つかっていません。

 

それどころか、岩塩?っていうくらい塩辛いドリアを出す洋食店や、「うまみ」の文化がまだ到来していないラーメン屋など、かなりイケてない店ばかりなので、この町はダメだ、とあきらめムードも濃く、外食はもっぱら大戸屋です。

 

1軒だけ、こんな体験なかなかないぞというくらい猛烈にうまい肉を格安で出してくるヤバい店があるのですが、店内はめちゃくちゃに汚く、店の夫婦はずっとケンカをしており、かつ、肉以外のすべてがクソまずいです。

付け合わせの漬物までしっかりまずいので、とても悩ましい店です。

 

わたしは、ふつうに清潔感のある店で、700円くらいで、それなりにおいしいものを食べたいだけなのに。

そんなことを考えながら、大戸屋へ行く日々。

炭火焼きバジルチキンサラダ定食。

なんて退屈な響きなのでしょうか。

 

 

しかし!

今日ついに、普通のソバ屋を開拓することに成功したのです。

 

いかにもソバ屋らしい外観と、店内の適度な清潔感、せいろ600円の文字、けんかしていない店員。

すべての普通さに涙があふれそうでした。

 

f:id:oshirigenki:20151108163150j:plain

この普通さに感動

 

味も、それなりにおいしかったです。

そりゃあ、これで特別おいしければ最高ですが、この町においては「まずくない」それだけでとても価値の高いものなのです。

ましてやそれなりにおいしいのだから、不満などあるわけがありません。

 

普通、最高…。

 

ほくほくして帰ろうとしたところで、これが出てきました。

 

f:id:oshirigenki:20151108170201j:plain

ホットコーヒー

 

そば、のち、ホットコーヒー。

なんとなく、「なるほどね」と独り言を言いました。