週刊ゆふあや 良い虫、悪い虫

水曜日

産後のダメージが、半年経った今になって爆発している感じ。

体中が痛いし、だるい。おまけにひどい貧血。目の疲労感もこれまでに無く激しくて、すごくショボショボする。足がだるくて毎晩目覚める。腱鞘炎も治らない。

今日はのんちゃんを夫に頼み、午前中いっぱい一人で休ませてもらった。午後は少し回復したので交代して、適当に家事などをした。

最近、のんちゃんを抱っこして立たせると、嬉しそうにスクワットみたいな動きをする。なので、自力でぴょんぴょん飛び跳ねられるおもちゃを買ってみたのだが、座らせたら困惑顔でちっとも動かなくなり、静止したままシクシクと泣いてしまった。申し訳ないが、かわいい……。

 

木曜日

冷静になった頭で「女神の継承」のことを改めて考えると、あの結末は女神の加護によるもののように感じられてきた。

ホラー映画として、ただ観客を怖がらせるために一線を越えたのではないと思う。女が女であることから開放される日は来ないのだ。だからあれは慈悲。あれ以外に救いは無い。そう考えると「祈りの先に 救いはあるのか」というキャッチコピーはとても良い。

見た日の夜は怖すぎて、夫に「ちんちんの話をしてくれ」と頼んだ。そしたら「家の前に妖怪がいて、ちんちんを見せたらヒエーと叫んで居なくなった」と話してくれた。くだらなすぎる。マジ魔除け。

深夜に置き時計を買った。

 

金曜日

先日やった検診の結果を、オンライン診療で聞いた。結果が事前にPDFで届くので、聞きたいことを考える時間もあったし、薬も郵送にしてもらえて、すごく楽だった。

のんちゃんが寝たあと、インスタで買った服の型紙を使って、ロンパース製作を始める。

先日「800円は高い気がする」と書いたが、よく見たら縫い代付きの型紙で、神だった。全然高くない。縫い代付きって本当に良いよね。好きな言葉は"縫い代付き"だよ。縫い代が付いてるだけで、俄然やる気が出てくる。秋冬を想定して薄手のコーデュロイ生地にしたのも扱いやすくて良かった。端から綿みたいな糸くずがめちゃ出るけれども。

邪魔されずに没頭できることが嬉しくて、深夜まで作業をした。

 

土曜日

台風の日。気温は低いけれどやはり湿度が高く、のんちゃんが汗だくになっていたのでクーラーをつけた。

置き時計が届いたので置こうとしたら、丁度置きたい所にてんとう虫がいた。

夫を呼ぶと「てんとう虫じゃない。もっと悪い虫だ」と言われて、「悪い虫」っていうフレーズが怖すぎて最悪な気分になった。

聞くとそれは畑基準の話で、てんとう虫は畑にとって益虫だけど、うちにいたナントカっていうてんとう虫っぽい見た目のやつは害虫だというだけだった。

言われてみると、色もくすんでいて、星の数も多い。いかにも偽物っぽい見た目をしている。そう思って見ると、別にうちは畑じゃないのになぜだかすごく悪いものに思えて、ゾッとする。

夫がつかまえて外に出してくれたので、そこに置き時計を置いた。

 

日曜日

帝王切開の傷跡に「アトファイン」という予後を良くするテープを貼っている。

もう半年経ったので、そろそろやめても良いかもしれないと思い、剥がして生活してみたら、のんちゃんに蹴られて痛かった。嫌だったのでまたすぐに貼り直す。6枚で1800円もするので、もう貼りたくないのだが……。

夜、今年初めて蚊に刺された。刺された所を撫でていたら、思いがけずまた同じ場所に血を吸いに来た蚊を触ってしまい、手にくっついた蚊の死骸を見てウワッてなった。

何で同じ所に吸いに来たんだろう。

 

月曜日

ベビーカーを押して図書館に絵本を返しに行き、帰りに豆乳を買って帰る。豆乳は色々な味があって選ぶのが楽しい。今の所、好きなのはバナナとメロン。好きじゃないのはイチゴ。今日は黒ごまを買ってみた。

 

火曜日

映画館に「リコリス・ピザ」を見に行く。

前回見てからずっと、あの世界にもう一度戻りたくて仕方なく、サントラを聞きながら映像を思い出してちょっと泣いたりとかもしていたので、二回目を見た方が良いなと思った。

冒頭、高校での出会いのシーンが本当に美しくて、ニーナ・シモンの「July tree」がかかった途端に泣く。その後も全てのシーンが良いので、ずっと泣く。

あまりにも好きすぎるので帰りにパンフレットを買ったのだが、それを読んで、どうやってこの「最高の思い出」を作りあげたのかが少し分かった。見た劇場に売っていなくて、わざわざ別の劇場に問い合わせて買いに行ったかいがあった。ああ……。もう一度見たいよ……。